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【まとめ】全米オープン2022

テニスの全米オープン(2022年8月29日~2022年9月11日)がアメリカのニューヨークで開催されます。

今回は全米オープン2022 男子シングルス決勝 アルカラス選手 vs ルード選手について見ていきます。

試合前の両者の状況

アルカラス選手は全米オープンに2年連続2回目の出場です。意外なことに、グランドスラムのこれまでの最高成績はベスト8でした。今回の決勝進出はかなりの大躍進であることがわかります。

一方ルード選手は、全米オープン出場は5年連続5回目です。今シーズンの活躍は目覚ましく、全仏オープン2022でも決勝に進出しています。全米オープンでは、これまでは3回戦が最高成績でした。

これまで2人はツアーで2回対戦しており、いずれもアルカラス選手が勝利しています。ルード選手は試合前、「アルカラスをコート後方に留めておくことが重要だ。前に出られると止められなくなる。」と語っています。

試合内容

アルカラス選手がコイントスでレシーブを選択したため、ルード選手のサーブでスタートします。試合序盤、決勝の緊張からかルード選手は30-0から3ポイント連続で落とし、アルカラス選手にチャンスが到来します。しかし、ルード選手も一筋縄ではいきません。ここをなんとかキープします。

今度は攻守交替です。ルード選手がリターンエースで、アルカラス選手のサービスゲームを15-40とします。しかし、アルカラス選手がここぞという場面でサーブを連続で決め、キープします。

第3ゲーム、アルカラス選手の勢いが止まりません。0-40とアルカラス選手に3度ものブレークチャンスが訪れます。ルード選手が1つ返して15-40としますが、次のポイントをアルカラス選手が取ってブレーク成功。第4ゲーム以降はお互い、サービスゲームをキープし合って試合は平行線に。

アルカラス選手の4-3で迎えた第8ゲーム、アルカラス選手のドロップショットをルード選手が何とか返す場面で、アルカラス選手が主審に抗議します。このとき、直ぐにルード選手が「2バウンドしていたからアルカラスのポイントだよ。」と申告したことで、アルカラス選手にポイントが与えられます。この劣勢な場面で自分の非を認めるというルード選手のスポーツマンシップは素晴らしいですね!アルカラス選手もラケットで観衆に「ルード選手に拍手を」というジェスチャーをしました。

第10ゲームのサービング・フォー・ザ・セットをアルカラス選手がラブゲームで取り、第1セットを先取します。

第2セット第5ゲーム、ルード選手のリターンが少し浅くなったところをアルカラス選手が見逃しませんでした。一瞬の隙を突いて前に出たアルカラス選手がバックハンドを決め、ブレークチャンス。しかし、ルード選手も負けていません。なんとかルード選手がピンチを切り抜けます。その後、ルード選手はアルカラス選手のドロップショットを広い、第2セット最初のチャンスをポイントに結びつけます。第7ゲーム、デュースの場面でアルカラス選手がリターンに失敗します。苛立ったアルカラス選手が、第8ゲームでサーブミスを連発してルード選手のセットポイントに。このチャンスをルード選手は見逃しません。最後はルード選手がスマッシュを決めてセットカウント1-1とします。

このままルード選手の流れかと思いましたが、ルード選手は第3セットのサービスゲームでミスを重ねて0-40とします。ルード選手のショットが浅くなったところを、アルカラス選手がドロップで決めてブレークします。それでもルード選手は諦めません。第3ゲームで訪れたピンチを持ちこたえ、さらにアルカラス選手のミスも手伝ってブレークバックに成功して2-2とします。第12ゲームでルード選手が2度のセットポイントを手にするも、アルカラス選手がしのいでタイブレークに突入。アルカラス選手の鋭いリターンでルード選手のミスを誘います。4-1とリードしたアルカラス選手が、その後もポイントを重ねて第3セットを取ります。

第4セット、勢いに乗ったアルカラス選手が第4セットをブレークします。その後も第6ゲームで得たチャンスを生かしアルカラス選手から4-2とすると、そのままサービング・フォー・ザ・チャンピオンシップを迎えます。アルカラス選手が第9ゲームをキープし、6-4、2-6、7-6(1)、6-3で初の全米オープン優勝を飾りました。19歳の史上最年少での世界ランキング1位の誕生です。

まとめ

アルカラス選手が初のグランドスラムタイトルを取りました。若干19歳、史上最年少の世界No.1の誕生です。

2022年9月12日付のATPランキングで優勝のアルカラス選手が1位、準優勝のルード選手が2位となります。

正直、今回の決勝はどちらが勝つかわかりませんでした。ルード選手が第3セットで2度のセットポイントを迎えてますが、あそこをルード選手が取っていれば勝負の行方はまた別のものとなっていたかもしれません。

グランドスラムの決勝の舞台に立っても、何度も相手に打ちのめされて優勝を阻まれる選手が少なくない中、初のグランドスラム決勝の舞台で優勝し、世界ランキング1位を達成するアルカラス選手は凄いですね。

今後も両選手の活躍から目が離せません。

準決勝を終え、決勝の組み合わせが決定しました。

今回は2組の準決勝の内容を解説していきます。

ルード選手 vs ハチャノフ選手

第5シードのルード選手と第27シードのハチャノフ選手の対戦。

第1セットはお互い2度ずつブレークを奪い合い、タイブレークに突入します。タイブレ序盤でミニブレークに成功したルード選手が、最終ポイントではロングラリーをものにして第1セットを先取します。

第2セットにて、ハチャノフ選手は11本ものアンフォーストエラーをしてしまいます。一方のルード選手はミスが少なく、安定したプレーで試合を進めます。ルード選手は5ゲーム連取と絶好調。サービング・フォー・ザ・セットとなった第8ゲームをラブゲームでキープし、セットカウント2-0とハチャノフ選手を追い詰めます。

第3セット序盤はお互いがサービスゲームをキープする展開が続きます。ところが、ハチャノフ選手が第12ゲームでブレークし、セットカウント2-1とします。

第4セットでは、ルード選手がまたギアを上げます。なんと第2ゲームから5ゲーム連取に成功。ルード選手のサービング・フォー・ザ・マッチとなった第8ゲーム。ルード選手がラブゲームでキープし、決勝に駒を進めました。

アルカラス選手 vs ティアフォー選手

第1セットはお互いサービスキープが続き、タイブレークに突入します。ティアフォー選手は3度ものセットポイントを向かせますが、アルカラス選手に全て防がれます。しかし、最後はアルカラス選手のダブルフォルトにより先行します。

第2セットもお互いがキープする展開が続きます。試合が動いたのは第6ゲーム。アルカラス選手が、この試合で両者通じて初のブレーク。セットカウント1-1となります。

第3セットはアルカラス選手が止まりません。アルカラス選手がセット序盤から4ゲーム連取するなど一方的な展開となり、第3セットは6-1でアルカラス選手が取ります。

第4セットではブレークの奪い合いとなり再びタイブレークに突入します。ティアフォー選手がタイブレをものにし、ファイナルセットに突入します。

ファイナルセット、アルカラス選手がが第1ゲームで先にブレークします。しかしティアフォー選手も第4ゲームでブレークバックに成功します。しかし、アルカラス選手がその後2度のブレークに成功し、4時間超の熱戦で勝利をおさめ、決勝に駒を進めました。

決勝を前に

全米オープン決勝の組み合わせは次の通りに決まりました。

  • アルカラス選手 vs ルード選手

どちらが勝っても初のグランドスラムタイトル&世界ランキング1位となります。

若手同士の決勝ということで、新時代を感じさせますね。

今大会も残すところ、あと1試合。栄冠を手にするのはどちらでしょうか!?

ニューヨークで開催中の全米オープンですが、男子シングルスの準々決勝が終わり、ベスト4が決まりました。

今回は、準々決勝の4試合を見ていきましょう。

キリオス選手 vs ハチャノフ選手

世界ランキング25位のニック・キリオス選手と同31位のカレン・ハチャノフ選手の対戦。

第1セット序盤は、お互いキープを続けます。そんな中、ハチャノフ選手が第12ゲームをブレークして第1セットを先取します。

第2セットはキリオス選手が6-4で奪い返します。第3セットはハチャノフ選手が7-5で取り、シーソーゲームが続きます。

第4セットはタイブレークの末にキリオス選手が取り、最終セットへ突入します。第5セットは、ハチャノフ選手が第1ゲームをブレークします。このリードを守り切ってハチャノフ選手が6-4で取り、ルード選手の待つ準決勝へと駒を進めました。

ルード選手 vs ベレッティー二選手

世界ランキング7位のキャスパー・ルード選手と同14位のマッテオ・ベレッティーニ選手との対戦。

ルード選手は試合序盤から飛ばします。第1セット、ルード選手がいきなり5ゲーム連取し、6-1で先取します。

第2セットも、ルード選手が2回のブレークを含む5ゲーム連取で6-4とし、ベレッティーニ選手を追い詰めます。

第3セット、今度は逆にベレッティーニ選手がブレークに成功します。ところが、ルード選手は第9ゲームをブレークバックしてタイブレークに持ち込みます。ルード選手はタイブレークでも主導権を譲らず、セットカウント3-0で準決勝進出を決めました。

アルカラス選手 vs シナー選手

9月7日に大会第3シードのカルロス・アルカラス選手と第11シードのヤニック・シナー選手の「次世代No.1」対決が行われました。ツアーでの対戦成績は、シナー選手の2勝1敗。今季2度の対戦があり、シナー選手が2連勝中です。

シナー選手は立ち上がりが悪く、3本のダブルフォールトを犯してピンチを招き、アルカラス選手にブレークを許します。その後、ブレークバックしたものの、ファーストセット2-3から2度のブレークでアルカラス選手の4ゲーム連取、6-3でアルカラス選手が先取します。シナー選手のファーストセットのセカンドサーブでのポイント獲得率が32%と、ペースを作ることに苦しみました。

第2セットに入ると、シナー選手のサーブもよくなっていきました。ストロークでも、シナー選手はアルカラス選手の強烈なショットに引けを取らない鋭いショットで第3ゲームをブレークします。ところが、セット終盤でセカンドサーブを狙われ、アルカラス選手にブレークバックを許してしまいます。第12ゲームにて、シナー選手は0-40とピンチを迎えます。この窮地をシナー選手がサーブなどで4度のセットポイントをしのぎ、タイブレークへ突入します。

両者一歩も引かず、ネットプレーでの一進一退の攻防を見せましたが、最後はシナー選手がアルカラス選手のキックサーブに食らいつき、バックハンドのリターンエースにより、1時間14分もの第2セットを7-6(7)でシナー選手が奪取します。

第3セットでは、シナー選手はアルカラス選手に2度のリードを許したものの、その度にブレークバックに成功します。この辺りからアルカラス選手のアンフォーストエラーが増えてきました。タイブレークではシナー選手が7連続ポイント奪取でセットを取ります。

第4セット開始時で既に試合時間が3時間半経過しており、現地時間は深夜1時。シナー選手が一気に勝負を決めようとギアを上げ、第1ゲームをいきなりブレークします。第6ゲームではアルカラス選手がラブゲームでブレークし、勢いを取り戻したかに見えましたが、シナー選手の正確なショットが勝り、第7ゲームをシナー選手が再びブレークします。 5-3で迎えたサービング・フォー・ザ・セットで、シナー選手はマッチポイントを握ります。ところがプレッシャーからか、アルカラス選手にブレークを許して追いつかれてしまいます。シナー選手はその後の第12ゲームも落とし、試合は最終セットにもつれます。

最終セット、第5ゲームでアルカラス選手のミスが続き、シナー選手が先にリードを奪います。しかし、アルカラス選手も負けじと第6ゲームをすぐさまブレークバックします。さらに、第8ゲームもアルカラス選手がブレークし、6-3でアルカラス選手が死闘を制し、自身初のグランドスラム準決勝へ駒を進めました。

6-3、6-7(7-9)、6-7(0-7)、7-5、6-3のフルセット、5時間15分の熱戦が終了したのは翌日の午前2時50分。これは141年の大会史上最も遅い試合終了時刻となりました。

 

ルブレフ選手 vs ティアフォー選手

世界ランキング11位、第9シードのアンドレイ・ルブレフ選手と同26位で第22シードのフランシス・ティアフォー選手の対戦。

試合開始直後は、両者ともエンジンがかからず、試合は平行線を辿ります。第1セットでルブレフ選手は、サービスゲームでポイント先行されながらも、自慢の強打で打開していきます。一方のティアフォー選手も、序盤はファーストサーブの確率こそ低かったものの、ストローク・ネットプレーとルブレフ選手を攪乱してサービスキープしていきます。両者譲らずタイブレークに突入。先にリードを奪ったのはティアフォー選手でした。ティアフォー選手が7-3で奪いきり、第1セットを先取します。

第2セットも同じような展開が続きます。お互いサービスゲームをキープし合い、再びタイブレークに突入。ティアフォー選手がルブレフ選手の最初のサーブを2本破ってリードを奪います。その後はティアフォー選手が強気な攻めを見せ、一気に7連続ポイントで2セット連取します。

流れは完全にティアフォー選手でした。第3セット第7ゲームでティアフォー選手がブレークに成功します。なんと2人合わせても、試合を通してブレークはこの1つだけとなります。地元ティアフォー選手がストレート勝利を収め、自身初のグランドスラム準決勝に駒を進めました。

準決勝の展望

準決勝は次の組み合わせとなりました。

  • ルード選手 vs ハチャノフ選手
  • アルカラス選手 vs ティアフォー選手

誰が優勝しても新チャンピオン誕生です。

ルード選手が全仏オープンに続き、グランドスラム決勝の舞台に立つのか!?

ロシア三銃士(メドベージェフ選手・ルブレフ選手・ハチャノフ選手)の勝ち残りであるハチャノフ選手か!?

「次世代ナダル」と呼ばれる、10代のアルカラス選手か!?

地元アメリカの期待の星、ティアフォー選手か!?

なんとも目が離せない準決勝のカードとなりました。

決勝はどんな組み合わせになるのか、楽しみです!

ニューヨークで開催中の全米オープンが4回戦まで終了しました。

今回は4回戦までの振り返りをしていきます。

ナダル選手 vs ティアフォー選手

メドベージェフ選手 vs キリオス選手

全員がGS優勝経験なしのベスト8

4回戦にてナダル選手、チリッチ選手が敗退したことで、全員がGS優勝経験なしのベスト8が出揃いました。

準々決勝は以下の組み合わせです。

  • ルード選手 vs ベレッティー二選手
  • キリオス選手 vs ハチャノフ選手
  • ルブレフ選手 vs ティアフォー選手
  • アルカラス選手 vs シナー選手

どの選手が勝ち上がるか、全くわかりません!

新チャンピオンは誰になるのか!?眠れない夜は続きます笑

1回戦を終え、多くの番狂わせがありました。

今回は男子シングルスの1回戦を終えた感想を述べていきます。

チチパス、初戦敗退

今大会最大の大番狂わせと言ってもいいでしょう。

なんと第4シードのチチパス選手は、予選勝者の世界ランキング94位ガラン選手に0-6、1-6、6-3、5-7で初戦敗退…。

チチパス選手はとにかくサーブが安定しませんでした。事実、第1セットのサービスゲームでは5ポイントしか取れてません。

第3セットでサーブが復調してキープできるようになり、なんとか1セットを返しました。

しかし、続く第4セットで先にブレークしたものの、第8ゲームで追いつかれます。

第12ゲームでの通算9度目のマッチポイントを防ぎ切れず、初戦敗退となります。

この日は実に57本ものアンフォーストエラーを犯してしまったチチパス選手。GSに上手くコンディションを合わせられなかったのでしょうか。

その他の番狂わせ

チチパス選手の他にも、複数のシード選手が1回戦敗退を喫しています。

第10シードのテイラー・フリッツ選手は、予選勝者である世界303位の24歳Brandon Holt選手に7-6(3)、6-7(1)、3-6、4-6の逆転負け。

第16シードのロベルト・バウティスタ アグート選手は、ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場する世界87位で23歳のJ.J.ウルフ選手に4-6、4-6、4-6のストレートで敗れています。

長期離脱後の復活を目指す元グランドスラム王者のドミニク・ティーム選手も初戦敗退となりました。ティーム選手の相手は第12シードのパブロ・カレーニョブスタ選手でした。

スタン・ワウリンカ選手も初戦で姿を消しました。ラッキールーザーの世界112位コランタン・ムーテ選手に2セットダウンとした後、棄権しました。

今回は全米オープン2022の全容を見てみましょう。

ドロー

引用: The Sporting News

注目カード

欠場選手

世界ランキング365位の錦織圭選手と元世界王者のロジャー・フェデラー選手はリハビリ中のため、全米オープンの欠場を発表しております。

また、3回の優勝を誇るノバク・ジョコビッチ選手は新型コロナワクチン未接種のためアメリカに入国することができず、欠場が決まっております。

全仏オープン準決勝で右足の靱帯が断裂して手術を受けた世界2位のアレクサンダー・ズベレフ選手は、ウィンブルドンに続いての欠場です。ズベレフ選手のリハビリは順調で、大会開幕まで「あと1、2週間あれば間に合ったのに」と悔しがる様子をSNSで見せています。

同じく欠場となった世界28位のライリー・オペルカ選手は、その理由を公表していません。オペルカ選手は8月上旬の「ATP500 ワシントンD.C.」3回戦でニック・キリオス選手に敗れて以降、大会から遠ざかっています。地元アメリカの期待の星だけに、欠場理由が気になります。

まとめ