プロフィール
アンディ・マレー選手は、イギリス出身でBIG4の一角です。
身長190cmと長身。右利き、バックハンド・ストロークは両手打ちです。
長らくテニス界で存在感を放っていましたが、2024年のパリ五輪で現役を引退しました。
マレー選手の怪我によるランキング降下、フェデラー選手・ナダル選手の怪我からの復活により、2018年以降はBIG3という呼称が使われることが多くなりましたが、下記動画の通り2010年~2017年のマレー選手はフェデラー選手、ナダル選手、ジョコビッチ選手と互角に渡り合っていました。
不撓不屈の精神はすさまじく、テニスの試合だけでなく、コート外のマレー選手の振る舞いも印象的でした。常に自分の意見を持ってハッキリと主張し、信念をもって手術から立ち上がる雄姿は、テニス選手としてだけでなく、一人の人間として非常に魅力的でした。マレー選手のプレーをリアルタイムで追えたことに感謝します。
名勝負
2013年に地元マレー選手がウィンブルドン選手権の決勝の舞台でノヴァク・ジョコビッチ選手に勝利し、1936年のフレッド・ペリー選手以来、77年ぶりの地元優勝の悲願を達成しました。
対トミー・ロブレド選手との3時間20分の死闘をくぐい抜けた、2014年のバレンシア・オープンです。この1か月前にロブレド選手は、深センオープン決勝でも5回のマッチポイントをしのがれてマレー選手に負けています。試合後のロブレド選手の中指ジェスチャーはジョークであり、マレー選手も笑っています。
2016年の全米オープン準々決勝での錦織圭選手との試合は忘れられません。この頃のマレー選手は全盛期と言ってもよい程、好調でした。しかし、結果はフルセットの末に錦織選手が勝利します。マレー選手のディフェンス力の高さ、サーブやロブなどのスーパープレイなどがいくつも見られ、マレー選手の強さのわかる試合でした。
2017年のドバイオープン、対フィリップ・コールシュライバー選手の38ポイントタイブレークはマレー選手のハイライトとして外せないです。
2019年の全豪オープン1回戦、対ロベルト・バウティスタ アグート選手との試合です。臀部の手術後1年間プレーしていなかったマレー選手は、この全豪オープンの前に「2019年が現役最後の年になるかもしれない」と発言していました。
試合中何度も自らを鼓舞するために脚を叩く仕草を見せました。この試合後、大会側はThe Queenの”We are the Champions”を流しました。「また戻ってくるかもしれない」マレー選手は、この試合を通して自分にもまだできると思ったのでしょう…その後2024年まで現役を続けることとなります。
そして人工股関節を体内に埋め込み、医師に「テニスは無理だ。スポーツどころか日常生活ですら難しい」と言われているのにも関わらず、なんと4年後の同じ場所の同じく1回戦で、マッテオ・ベレッティー二選手に勝利して2回戦に進出する「奇跡」を起こすのです。常識では考えられない結果を残し続けたBIG4の一角であることを、再認識させられる試合でした。