プロフィール
ダニール・メドベージェフ選手はロシア・モスクワ出身のテニス選手です。
最高ランキングは1位、2021年の全米オープン覇者と輝かしい実績のある選手です。
プレースタイル
一言で表現すると、ベースライナーです。
198センチとリーチがある選手なので、コートカバーリング能力が非常に高いです。
フラット気味で叩いてラリーを続け、相手のミスを誘うスタイルです。相手がミスをして甘い球がきたら強打してポイントを奪います。ジョコビッチ選手やマレー選手と似たプレースタイルです。
ラリーを支配できないと、自分のペースが崩れてずるずると行ってしまうこともあります。
2022年頃までは上述のようなカウンターパンチャー型ベースライナーでした。しかし、2023年前後から飛びにくいボールがツアーに採用されたことから、相手の力を利用してカウンターで合わせて返球する従来のプレースタイルでは勝てなくなってきました。
そこでベースライン後方で打ち合うスタイルは変えませんでしたが、自分から積極的に打っていくアグレッシブ型ベースライナーとプレースタイルを変更しました。
2023年以降は前に積極的に出て強打していくため、ベースライン後方まで戻る時間が必要となり、相手の返球に対してカウンターする準備が出来ない状態が続いており、成績を落としています。特にヤニク・シナー選手のようなライジングを得意とする選手とは相性が悪いです。
ハイライト
2020年のATPファイナルズではノヴァク・ジョコビッチ選手、ラファエル・ナダル選手、ドミニク・ティーム選手に勝利して優勝しています。
2021年の全米オープン決勝です。相手は王者ジョコビッチ選手ですが、なんとストレートで勝利して、メドベージェフ選手はキャリア初のグランドスラムタイトルを獲得します。勝利後にも関わらず、感情を爆発させることなく淡々としています。
次に2025年のインディアンウェルズ・オープン準々決勝です。初のGSタイトル獲得後にすら感情を爆発することのなかったメドベージェフ選手ですが、この日はアルトゥール・フィス選手に勝利した瞬間、両手を上げて飛び跳ねています。これは非常に珍しいことですが、メドベージェフ選手の状況を整理していくと理由が見えてきます。
2024年シーズンはメドベージェフ選手は無冠に終わりました。これは7年ぶりのことで、メドベージェフ選手にとって暗黒期と言えるでしょう。2025年に入ってからも全豪オープンの2回戦でラーナー・ティエン選手に敗れるなど、不調が続いています。そんな中での接戦からの勝利だったため、これほどまでに感情を露わにしたのでしょう。