プロフィール
ノヴァク・ジョコビッチ選手は1987年生まれのセルビア出身のテニス選手です。
グランドスラムの最多優勝記録保持者であり、テニス史上最強と名高い選手でもあります。
2003年にプロに転向してから、非常に長い期間にわたってトッププロとして活躍しています。そんなジョコビッチ選手のテニス人生をシーズンごとに見ていきましょう。
プレースタイルはカウンターパンチャー型のベースライナーです。
強さの秘密
ジョコビッチ選手は武器は何かという問いは適切ではないかもしれません。なぜなら、ジョコビッチ選手には苦手なショットがほとんどなく、ほぼ全てのショットが武器とも言えるからです。まさに現代テニスの完成形と言えるでしょう。そんな中でも敢えて武器を選ぶならば、バックハンドとリターン、柔軟性による圧倒的なコートカバーリング能力がジョコビッチ選手の最強の武器でしょう。
テニス史上最高のバックハンドの持ち主は誰かと聞かれたら、多くの人がジョコビッチ選手と答えるでしょう。ベースライン際から動かずに正確無比に打ち分けるバックハンドにより、対戦相手のエラーを誘います。自分からリスクを取って攻めていくというよりも、相手のパワーを利用したカウンターパンチャーであり、このバックハンドを主軸にポイントを取る展開が多いです。
次にリターンです。2011年の全米オープン準決勝フェデラー選手との試合で、フェデラー選手のチャンピオンシップポイントをジョコビッチ選手が強烈なフォアハンドのクロスコートへのリターンで防ぎ、このポイントからフェデラー選手が精彩を欠いてジョコビッチ選手が逆転勝利を収めた名勝負は、多くのテニスファンを魅了しました。これはジョコビッチ選手が自分のバックハンドの技術に全幅の信頼を置いているからこそ、あの窮地でも勝負に出ることができたのです。
キャリア初期はジョコビッチ選手のサーブは武器とは到底言えない完成度でした。トスが高くてサービスモーションも大きく、そのせいでフォルトがキャリア中盤よりも多かったです。
名勝負
2009年のマドリードオープン、ラファエル・ナダル選手との対戦は最高の3セットマッチではないでしょうか。ジョコビッチ選手は3度のマッチポイントを握りますが、4時間2分の死闘の末、ナダル選手に敗北を喫します。
このときのナダル選手は世界ランク1位、ジョコビッチ選手は「晩年3位」と揶揄されており、クレーコートでは一度もナダル選手に勝てていない状況でした。そんな最高のコンディション、ナダル選手得意のクレーコートにも関わらず、ジョコビッチ選手がマッチポイントを握るまでにナダル選手を追い込んだ展開は、ジョコビッチ選手は今後”化ける”と予感させるには十分でした。
この試合は3セット目が非常に長く、3セット目だけのフル動画もあります。
2024年
2023年の年末から2024年の年始にかけて開催される男女混合国別対抗戦「ユナイテッド・カップ」の期間中に手首を痛めたジョコビッチ選手は、地元の期待の星アレックス・デミノー選手とのエース対決に4-6, 4-6のストレート負けを喫してしまいます。この怪我の影響からか、例年出場する全豪オープンの前哨戦をスキップして、過去10回の優勝を誇る全豪オープンに挑みました。
全豪オープン1回戦では、2005年生まれの18歳でグランドスラム初出場の新星ディノ・プリシュミッチ選手、2回戦でアレックス・ポピリン選手に苦戦するも、順当に勝ち進みます。