2025年1月12日~2025年1月26日に全豪オープンがメルボルンにて開催されます。この記事では2025年の全豪オープンについて、記事の下からドロー→1回戦→2回戦…→決勝と整理していきます。
因みに昨年2024年の全豪オープンでは、ヤニク・シナー選手がダニール・メドベージェフ選手を下して、キャリア初のグランドスラムでの優勝を果たしました。
決勝を終えて
男子シングルスの決勝、第1シードのヤニク・シナー選手と第2シードのアレクサンダー・ズべレフ選手の対決はシナー選手が6-3, 7(7)-6(4), 6-3で制し、全豪オープン連覇 / 3度目のグランドスラム優勝を達成しました。
グランドスラムの決勝の舞台にも関わらず、シナー選手はズべレフ選手にブレークポイントを一度も握らせることなく、ストレート勝利を収めました。ラリーに持ち込んでしまうと、どれだけ振り回されても体幹がぶれないシナー選手が繰り出すパワーショットが返ってくるので、相手選手は為す術がありません。
今シーズンはアルカラス選手が決勝まで上がってこなければ、シナー選手がグランドスラムのタイトルを欲しいがままにしてしまうのでは、と思ってしまうほど他選手と力量の差がはっきりとしています。第2シードのズべレフ選手やトップ10のデミノー選手ですら、ストレートで一方的に一蹴されてしまうのですから。
シナー選手の強さが際立つ一方で、さらなる若手の台頭も目立った大会でした。
- ジョアン・フォンセカ選手( 2006年生まれ / 18歳 )
- ラーナー・ティエン選手( 2005年生まれ / 19歳 )
- ヤクプ・メンシーク選手( 2005年生まれ / 19歳 )
- アレックス・ミケルセン選手( 2004年生まれ / 20歳 )
第9シードのアンドレイ・ルブレフ選手を破ったフォンセカ選手、第5シードのダニール・メドベージェフ選手を破ったラーナー・ティエン選手、第6シードのキャスパー・ルード選手を破ったヤクプ・メンシーク選手、第11シードのステファノス・チチパス選手や第19シードのカレン・ハチャノフ選手を破ったアレックス・ミケルセン選手など、シナー選手よりもさらに若い世代がシード勢に勝利する展開が多く見られました。
シナー選手1強時代、あるいはシナー選手とアルカラス選手の2強時代となるのか…それともさらに若い選手も加わった戦国時代が来るのか。試合を見る身としては、実力が拮抗してどちらが勝つかわからない試合の方が楽しいので、上述した選手含むさらなる若手が力をつけてグランドスラムの優勝争いに絡んでくる未来を期待します。
準決勝を終えて
第1シードのヤニク・シナー選手と第21シードのベン・シェルトン選手の対決は、7-6, 6-2, 6-2のストレートでシナー選手が勝利を収め、昨年同様に決勝進出を果たしました。
シナー選手は試合序盤にファーストサーブが入らずにブレークされるものの、その直後のゲームで直ぐにブレークバックするなど勝負強さを見せました。第1セットの第11ゲームにまたもやブレークを許し、直後の第12ゲームでセットポイントを2度も握られ、「第1セットはシェルトン選手が取るか」と思われたものの、そこからタイブレークまで持ち込み、タイブレークでは一気に5ポイント連取して引き離すなど、シナー選手の執念が凄まじい印象でした。
第2シードのアレクサンダー・ズべレフ選手と第7シードのノヴァク・ジョコビッチ選手の対決は、第1セットのタイブレークを7(7)-6(5)でズべレフ選手が取った場面でジョコビッチ選手が棄権したため、ボトムハーフからはズべレフ選手が決勝に進出することになりました。
1987年生まれの37歳のジョコビッチ選手は、準々決勝のアルカラス選手との試合中にも脚を気にしてMTO (Medical Time Out)を取るなど、コンディションが万全ではない様子でした。
準々決勝のアルカラス戦以降、(中1日あったが)ボールを打っていなかった。筋断裂しており、治療に専念していた。2年前ならなんとかなったかもしれないが、(37歳となった今では)回復には十分ではなかった。
by ノヴァク・ジョコビッチ選手
準決勝後のインタビューで、ジョコビッチ選手は上述しました。年齢的にも大きな怪我をしてしまうと、引退になりかねない状況です。今は治療に専念し、また大舞台で活躍するジョコビッチ選手を心待ちにしましょう。BIG4は今まで幾度となく、常識を打ち破り、私たちを驚かせてきたのですから。
決勝は第1シードのヤニク・シナー選手と第2シードのアレクサンダー・ズべレフ選手の組み合わせとなりました。シナー選手とズべレフ選手の対戦成績は、ズべレフ選手が4勝2敗で勝ち越しています(2025年1月24日現在)。正直、今大会の試合内容を見てみるとシナー選手が他選手を圧倒しているため、シナー選手が優勢のように見えます。しかし、2人の試合はタイブレークやフルセットにもつれ込むなど、ズべレフ選手ならシナー選手相手でも一方的な展開にはならないだろうと思えます。
ディフェンディングチャンピオンのシナー選手か、グランドスラム決勝の舞台3回目のズべレフ選手が悲願のタイトル獲得か、決勝が楽しみです。
年 | 勝者 | 大会名 | サーフェス | スコア |
2024 | シナー | シンシナティ | ハード | 7-6, 5-7, 7-6 |
2023 | ズべレフ | 全米オープン | ハード | 6-4, 3-6, 6-2, 4-6, 6-3 |
2022 | ズべレフ | モンテカルロ | クレー | 5-7, 6-3, 7-6 |
2021 | ズべレフ | 全米オープン | ハード | 6-4, 6-4, 7-6 |
2020 | ズべレフ | Cologne 2 | ハード | 7-6, 6-3 |
2020 | シナー | 全仏オープン | クレー | 6-3, 6-3, 4-6, 6-3 |
準々決勝を終えて
トップハーフのシナー山は、第1シードのヤニク・シナー選手と第8シードのアレックス・デミノー選手が戦い、シナー選手が6-3, 6-2, 6-1と圧倒して準決勝進出を決めました。グランドスラムの準々決勝、トップ10同士の試合というものは、一般的にはもっと競り合うスコアになるものですが、シナー選手が他選手よりも実力が頭1つ抜けてることを表す恐るべき展開となりました。
デミノー選手はツアー屈指のフットワークを持つ選手ですが、それでもシナー選手の強打に振り回され続けました。シナー選手はラリー中に、いとも簡単に自在にコースを変えられます。シナー選手は2024年シーズンのサービスキープ率がツアートップとビッグサーバーの側面もあり、誰がシナー選手を止められるのかというほど現在のシナー選手は圧倒的です。
トップハーフのフリッツ山は、第21シードのベン・シェルトン選手がロレンツォ・ソネゴ選手を6-4, 7-5, 4-6, 7-6で退け、シナー選手との準決勝に駒を進めました。敗れはしたものの、ソネゴ選手は期待の若手(ジョアン・フォンセカ選手、ラーナー・ティエン選手)に競り勝ってのキャリア初の四大大会ベスト8という記録は素晴らしく、今大会をかき回したダークホース的存在でありました。
ボトムハーフの第3シードのカルロス・アルカラス選手と第7シードのノヴァク・ジョコビッチ選手の試合は、4-6, 6-4, 6-3, 6-4でジョコビッチ選手が勝利しました。
このジョコビッチ選手の勝利によって、ジョコビッチ選手とアルカラス選手の対戦成績は5勝3敗でジョコビッチ選手が勝ち越しています(2025年1月21日現在)。これでハードコートの対戦成績に限ると、ジョコビッチ選手が3戦全勝しています。逆に芝コートの対戦成績では、アルカラス選手が2戦全勝しています。ハードではジョコビッチ選手、芝ではアルカラス選手、クレーではお互い勝ったり負けたりしているというのが現在の2人の関係です。
年 | 勝者 | 大会名 | サーフェス | スコア |
2025 | ジョコビッチ | 全豪オープン | ハード | 4-6, 6-4, 6-3, 6-4 |
2024 | ジョコビッチ | パリ五輪 | クレー | 7-6, 7-6 |
2024 | アルカラス | ウィンブルドン | 芝 | 6-2, 6-2, 7-6 |
2023 | ジョコビッチ | ATPファイナルズ | ハード | 6-3, 6-2 |
2023 | ジョコビッチ | シンシナティ | ハード | 5-7, 7-6, 7-6 |
2023 | アルカラス | ウィンブルドン | 芝 | 1-6, 7-6, 6-1, 3-6, 6-4 |
2023 | ジョコビッチ | 全仏オープン | クレー | 6-3, 5-7, 6-1, 6-1 |
2022 | アルカラス | マドリードオープン | クレー | 6-7, 7-5, 7-6 |
第2シードのアレクサンダー・ズべレフ選手と第12シードのトミー・ポール選手の試合は、7-6, 7-6, 2-6, 6-1でズべレフ選手が勝利しました。
以上より、ベスト4に残った準決勝の組み合わせは次の通りです。
- (1) ヤニク・シナー選手 vs (21) ベン・シェルトン選手
- (2) アレクサンダー・ズべレフ選手 vs (7) ノヴァク・ジョコビッチ選手
ズべレフ選手とジョコビッチ選手の対戦成績は8勝4敗でジョコビッチ選手が勝ち越しています(2025年1月22日現在)。同じサーフェスで戦った2021年の全豪オープンでは、ジョコビッチ選手が逆転勝利を収めています。それではジョコビッチ選手が優勢かと言われるとそうではなく、直近4回の対戦では交互に勝ったり負けたりしており、実力は拮抗していると言えます。
年 | 勝者 | 大会名 | サーフェス | スコア |
2023 | ジョコビッチ | シンシナティ | ハード | 7-6, 7-5 |
2021 | ズべレフ | ATPファイナルズ | ハード | 7-6, 4-6, 6-3 |
2021 | ジョコビッチ | 全米オープン | ハード | 4-6, 6-2, 6-4, 4-6, 6-2 |
2021 | ズべレフ | 東京五輪 | ハード | 1-6, 6-3, 6-1 |
2021 | ジョコビッチ | ATP杯 | ハード | 6-7, 6-2, 7-5 |
2021 | ジョコビッチ | 全豪オープン | ハード | 6-7, 6-2, 6-4, 7-6 |
2020 | ジョコビッチ | ATPファイナルズ | ハード | 6-3, 7-6 |
2019 | ジョコビッチ | 全仏オープン | クレー | 7-5, 6-2, 6-2 |
2018 | ズべレフ | ATPファイナルズ | ハード | 6-4, 6-3 |
2018 | ジョコビッチ | ATPファイナルズ | ハード | 6-4, 6-1 |
2018 | ジョコビッチ | 上海オープン | ハード | 6-2, 6-1 |
2017 | ズべレフ | ローマオープン | クレー | 6-4, 6-3 |
4回戦を終えて
まずはトップハーフのシナー山です。第1シードのヤニク・シナー選手は、第13シードのホルガー・ルーネ選手に1セット取られるも、ルーネ選手を退けて準々決勝に進出しました。
地元オーストラリアのアレックス・デミノー選手は、アレックス・ミケルセン選手(2004年生まれの20歳)をストレート(しかも第1セットは6-0)で圧倒し、準々決勝に駒を進めました。ミケルセン選手は第11シードのステファノス・チチパス選手や第19シードのカレン・ハチャノフ選手を破っての勝ち上がりであり、デミノー選手といえども苦戦するのではと予想されてましたが、デミノー選手のフットワークが非常によくて、ミケルセン選手が終始苦しめられていました。
次にトップハーフのフリッツ山です。3回戦で第4シードのテイラー・フリッツ選手を破ったガエル・モンフィス選手ですが、残念ながら第21シードのベン・シェルトン選手との試合中に怪我により棄権しました。シード選手を2人(フリッツ選手とペリカール選手)破り、シェルトン選手とも3セットともタイブレークまでもつれ込んでの棄権でした。残念なかたちで大会を去ることとなりましたが、38歳のベテランであるモンフィス選手の活躍は私たち観客を夢中にさせたことは間違いありません。
2回戦で第5シードのダニール・メドベージェフ選手を下す大金星を挙げたラーナー・ティエン選手(2005年生まれの19歳)ですが、ロレンツォ・ソネゴ選手に阻まれ、準々決勝進出はなりませんでした。ソネゴ選手は今大会、1回戦で第6シードのアンドレイ・ルブレフ選手を破って注目を浴びたジョアン・フォンセカ選手(2006年生まれの18歳)に2回戦で勝利するなど、注目の若手に対して勝率がいいです。
ボトムハーフのアルカラス山です。第3シードのカルロス・アルカラス選手と第15シードのジャック・ドレーパー選手との対決は、アルカラス選手が7-5, 6-1と2セットを先取した段階で、ドレーパー選手が棄権の申し出をしたために、アルカラス選手が準々決勝に駒を進めることとなりました。
ドレーパー選手は1~3回戦までの全てをフルセット(しかも2セットダウンからの逆転勝ち。2, 3回戦の相手は地元オーストラリアの選手とアウェイな状況)で勝ち上がっており、体力の消耗が著しかったと思います。その中で体力を温存して勝ち上がってきたアルカラス選手が相手というのは、かなり難しい状況だったと思います。
また、第7シードのノヴァク・ジョコビッチ選手と第24シードのイジー・レヘチカ選手の試合は、ジョコビッチ選手がストレートでレヘチカ選手を退けています。
次にボトムハーフのズべレフ山です。第2シードのアレクサンダー・ズべレフ選手は第14シードのウゴ・アンベール選手に勝利して準々決勝に進出しました。第12シードのトミー・ポール選手はダビドビッチ・フォキナ選手を6-1, 6-1, 6-1の圧倒的なスコアで快勝しています。
フォキナ選手も状況はドレーパー選手と似たようなものでした。1回戦こそドレーパー選手とは違い、相手選手の棄権で2回戦に進出しましたが、2回戦と3回戦は共に2セットダウンからのフルセットの逆転勝利で4回戦まで勝ち上がってきていました。2回戦は第29シードのフェリックス・オジェアリアシム選手、3回戦は第6シードのキャスパー・ルード選手を破ったヤクプ・メンシーク選手が相手だったので、簡単には勝たせてはくれないことは間違いないですが、それでも2週間にわたるグランドスラムで優勝するには、1週目はいかに体力を温存して勝ち上がれるかが重要になってきます。
以上により、ベスト8に残った準々決勝の顔ぶれは次の通りになりました。
- (1) ヤニク・シナー選手 vs (8) アレックス・デミノー選手
- (21) ベン・シェルトン選手 vs ロレンツォ・ソネゴ選手
- (3) カルロス・アルカラス選手 vs (7) ノヴァク・ジョコビッチ選手
- (2) アレクサンダー・ズべレフ選手 vs (12) トミー・ポール選手
3回戦を終えて
まずはトップハーフのシナー山です。第1シードのヤニク・シナー選手、第8シードのアレックス・デミノー選手は順当に4回戦に進出しました。また、第13シードのホルガー・ルーネ選手は、ミオミル・ケツマノビッチ選手に2セットダウンと窮地に立たされるも、そこからフルセットに持ち込んで勝利を手にしました。
注目すべきは第19シードのカレン・ハチャノフ選手とアレックス・ミケルセン選手の対決でしょう。なんと1回戦で第11シードのステファノス・チチパス選手を破った、2004年生まれの20歳ミケルセン選手がハチャノフ選手をストレートで下して4回戦進出を決めました。
次にトップハーフのフリッツ山です。なんと第4シードのテイラー・フリッツ選手が、ノーシードのガエル・モンフィス選手に敗れて3回戦で姿を消しました。モンフィス選手は1回戦でもシード選手(第30シードのペリカール選手)を破っており、今大会をかき回す存在となっております。
また、第16シードのロレンツォ・ムゼッティ選手と第21シードのベン・シェルトン選手のシード対決も見応えがありました。こちらはシェルトン選手が勝利を収め、4回戦に進出しております。
次にボトムハーフのアルカラス山です。第3シードのカルロス・アルカラス選手、第7シードのノヴァク・ジョコビッチ選手、第24シードのイジー・レヘチカ選手は順当に勝利を収め、4回戦進出を決めました。
一方、第15シードのジャック・ドレーパー選手は地元オーストラリアのアレクサンダー・ブキッチ選手に2セットダウンと追い込まれるも、第4セットのタイブレを制してファイナルセットに持ち込み、最後もタイブレで勝利をもぎ取りました。
2週にわたって開催されるグランドスラムは、1週目でいかに省エネで勝ち上がれるかが、優勝争いの重要なウェイトを占めます。アルカラス選手やジョコビッチ選手など経験豊富な選手は短いセット数で勝ち上がって体力の温存に成功していますが、ドレーパー選手は2回戦に続いて3回戦もフルセットの死闘を繰り広げており、大会終盤まで体力が持つか心配です。
最後にボトムハーフのズべレフ山です。第2シードのアレクサンダー・ズべレフ選手はストレートの快勝で4回戦進出を決めました。
第14シードのウゴ・アンベール選手と第20シードのアルトゥール・フィス選手のフランス対決は、フィス選手が棄権したことにより、アンベール選手が4回戦に進出することとなりました。
2回戦で第6シードのキャスパー・ルード選手を破る大金星を挙げたヤクプ・メンシーク選手(2005年生まれの19歳)ですが、アレハンドロ・ダビドビッチ・フォキナ選手に2セットアップとリードするも、そこからフォキナ選手の猛追にあい、フルセットの末に3回戦敗退となりました。
2回戦を終えて
トップハーフのシナー山を見ていきます。第1シードのヤニク・シナー選手、第8シードのアレックス・デミノー選手、第13シードのホルガー・ルーネ選手、第19シードのカレン・ハチャノフ選手は順当に勝利して3回戦に進出しました。
一方の第18シードのホベルト・フルカチュ選手は、ミオミル・ケツマノビッチ選手にストレートで敗れて大会から姿を消しました。
1回戦で第11シードのステファノス・チチパス選手を破る大金星を挙げた、アレックス・ミケルセン選手(2004年生まれの20歳)ですが、地元オーストラリアで1歳上のジェームズ・マッケイブ選手にストレートで勝利しました。
次にトップハーフのフリッツ山です。第5シードのダニール・メドベージェフ選手が、2005年生まれの19歳ラーナー・ティエン選手にフルセットで敗れる波乱がありました。また、第17シードのフランシス・ティアフォー選手もファビアン・マロジャン(マロジャーンなど表記ゆれあり)選手に敗れ、2回戦で姿を消しました。
メドベージェフ選手は昨年に同大会を準優勝しているため、2回戦敗退はポイント大幅失効となり、ランキングを大きく落とす要因となり得ます。
第16シードのロレンツォ・ムゼッティ選手とデニス・シャポバロフ選手の対決は、2度のタイブレークを迎えながらもムゼッティ選手がストレート勝利を収めました。第4シードのテイラー・フリッツ選手、第21シードのベン・シェルトン選手も順当に3回戦に駒を進めています。
1回戦で第6シードのアンドレイ・ルブレフ選手を破って注目を集めた、予選勝者のジョアン・フォンセカ選手(2006年生まれの18歳)ですが、残念ながらロレンツォ・ソネゴ選手にフルセットで敗れ、2回戦で姿を消しました。
ボトムハーフのアルカラス山を見ていきます。第3シードのアルカラス選手は西岡良仁選手を6-0, 6-1, 6-4と圧倒し、強さを見せつけました。
第15シードのジャック・ドレーパー選手は、地元オーストラリアのタナシ・コキナキス選手に2セットダウンと先手を取られるも、見事フルセットの末に逆転勝ちを果たしました。体力を削られドレーパー選手とは対照的に、第24シードのイジー・レヘチカ選手はユーゴ・ガストン選手が2セット目途中で棄権したため、体力を温存したまま3回戦進出を決めました。第22シードのセバスチャン・コルダ選手は、地元オーストラリアのアレクサンダー・ブキッチ選手に逆転負けを喫して、2回戦で姿を消しました。
前哨戦のブリスベン国際オープンで第1シードのノヴァク・ジョコビッチ選手を破って復活を印象づけた身長211センチのライリー・オペルカ選手ですが、第26シードのトマーシュ・マハーチ(マハツなど表記ゆれあり)選手にフルセットの末に敗れました。
ドロー段階では、ジョコビッチ選手はアルカラス選手の前にディミトロフ選手やオペルカ選手とあたる可能性が高く、タフドローであると書きましたが、1回戦でディミトロフ選手が棄権、2回戦でオペルカ選手が敗退したことにより、ジョコビッチ選手にとっては追い風となりました。
最後にボトムハーフのズべレフ山です。錦織圭選手は、第12シードのトミー・ポール選手から第1セットを奪ったものの、残念ながら2回戦で敗退してしまいました。
第2シードのアレクサンダー・ズべレフ選手、第14シードのウゴ・アンベール選手は共にストレート勝利で3回戦進出を決めた一方で、第6シードのキャスパー・ルード選手が2005年生まれの19歳ヤクプ・メンシーク選手に敗れる展開がありました。また、第29シードのフェリックス・オジェ=アリアシム選手もアレハンドロ・ダビドビッチ・フォキナ選手に敗れて姿を消しています。
テニス強国であるフランスは若手選手の伸長が著しいです。アルトゥール・カゾー選手は惜しくも2回戦敗退となりましたが、同じくフランスの若手であるアルトゥール・フィス選手は3回戦進出を決めています。
1回戦を終えて
トップハーフのシナー山を見ていきます。第11シードのステファノス・チチパス選手が、2004年生まれの20歳アレックス・ミケルセン選手に敗れる波乱がありました。
第1シードのヤニク・シナー選手、第8シードのアレックス・デミノー選手、第18シードのホベルト・フルカチュ選手は順調に2回戦進出を決めています。第13シードのホルガー・ルーネ選手はフルセットと苦戦するも、同じく2回戦進出を決めました。
次にトップハーフのフリッツ山です。大会前から注目していた第30シードのジョバニ・ンぺシ・ペリカール選手ですが、なんと38歳のベテランであるガエル・モンフィス選手がフルセットの末に破る波乱がありました。モンフィス選手は前哨戦であるATP250のASBクラシックオープンで優勝(38歳4か月でのツアー優勝は、2019年に38歳2か月でバーゼルオープンを優勝したロジャー・フェデラー選手の記録を抜いて最年長記録です)しており、非常に好調です。
また、第9シードのアンドレイ・ルブレフ選手が予選勝者である2006年生まれの18歳ジョアン・フォンセカ選手に敗れ、1回戦で姿を消しました。第25シードで地元オーストラリアのアレックス・ポピリン選手は、コランタン・ムーテ選手に敗れました。
第5シードのダニール・メドベージェフ選手はフルセット、第16シードのロレンツォ・ムゼッティ選手は2度のタイブレーク、第17シードのフランシス・ティアフォー選手はフルセット&2度のタイブレークを迎えるなど苦しい場面がありましたが、いずれも2回戦に進出しています。
死闘が多かった一方、テイラー・フリッツ選手はジェンソン・ブルックズビー選手相手に6-2, 6-0, 6-3と快勝しており、好調の様子が伺えます。
次にボトムハーフのアルカラス山です。第10シードのグリゴール・ディミトロフ選手が棄権、第28シードのセバスティアン・バエス選手がアルトゥール・カゾー選手に敗退、地元オーストラリアのニック・キリオス選手が敗退するなど、動きがありました。
第3シードのカルロス・アルカラス選手、第7シードのノヴァク・ジョコビッチ選手、第12シードのトミー・ポール選手、第15シードのジャック・ドレーパー選手、怪我から復帰したビッグサーバーのライリー・オペルカ選手は順当に勝ち上がっています。
最後にボトムハーフのズべレフ山です。4年ぶりに全豪オープンに出場した錦織圭選手は、チアゴ・モンテイロ選手に2セットダウンからの逆転勝ち(4-6, 6-7, 7-5, 6-2, 6-3)を収めました。2セット目は2度のブレークポイントをモノにできず、またスマッシュミスでのセットダウンだったため、取っておきたかったセットではありました。しかし、2回戦までに2日空くのが幸いです。しっかりと体力回復につとめ、快進撃を続けてほしいと思います。
他にも第2シードのアレクサンダー・ズべレフ選手、第6シードのキャスパー・ルード選手、第14シードのウゴ・アンベール選手、第20シードのアルトゥール・フィス選手、第24シードのイジー・レヘチカ選手など、順調に1回戦を突破しています。
ドロー
2025年1月9日に、全豪オープンのドローが発表されました。
トップハーフは第1シードのヤニク・シナー選手と第4シードのテイラー・フリッツ選手の山です。一方のボトムハーフは第2シードのアレクサンダー・ズべレフ選手と第3シードのカルロス・アルカラス選手の山です。
2024年の振り返りの記事でも述べたように、グランドスラムではシナー選手とアルカラス選手の2人が現時点での実力では抜けていると思います。この2人に対して相性のいいズべレフ選手も優勝候補の一人でしょう。ズべレフ選手はフリッツ選手を苦手としていますが、そのフリッツ選手はズべレフ選手とあたる前に苦手なシナー選手と準決勝であたる可能性が高いので、ズべレフ選手は苦手なフリッツ選手とあたらないかもしれません。それでもズべレフ選手が優勝するためには、アルカラス選手とシナー選手を2枚抜きする必要があるので、かなりタフであることには変わりません。
まずはトップハーフのシナー山から見ていきます。シード勢が順当に勝ち上がるという仮定を置くと、4回戦のシナー選手の相手は第13シードのホルガー・ルーネ選手となり、シナー選手にとっても嫌な相手となるでしょう。
もっとも、ルーネ選手はシナー選手の前に3回戦で第18シードのホベルト・フルカチュ選手、2回戦でマッテオ・ベレッティー二選手とキャメロン・ノーリー選手の勝者に勝たなければならないタフドローとなっています。
そしてシナー選手の準々決勝の相手は、地元第8シードのアレックス・デミノー選手の可能性が高いです。それ以外にも第11シードのステファノス・チチパス選手、第19シードのカレン・ハチャノフ選手となったとしても驚かないでしょう。

次にトップハーフのフリッツ山を見ていきます。シード勢が勝ち上がると仮定すると、フリッツ選手は3回戦で第30シードのジョバニ・ンぺシ・ペリカール選手、4回戦で第16シードのロレンツォ・ムゼッティ選手、準々決勝で第5シードのダニール・メドベージェフ選手とあたります。
特にペリカール(ペリカード/ペリカーなど表記ゆれあり)選手は、2003年生まれの21歳ながら2024年のバーゼルオープンをシェルトン選手を下して優勝、初のATP500タイトルを獲得しています。身長も203センチあり体格にも巡られており、その成長カーブには目を見張るものがあります。
もちろん、シード勢以外にも急速に力を伸ばしている若手選手などがひしめくグランドスラムには、シードダウンはつきものです。ムゼッティ選手の初戦の相手のマッテオ・アルナルディ選手は2001年生まれの23歳と若いですが、2024年の全仏オープンで当時第6シードだったアンドレイ・ルブレフ選手を下した曲者です。それ以外にもムゼッティ選手は、第21シードのベン・シェルトン選手に3回戦で勝たないといけないので、かなりのタフドローと言えるでしょう。
メドベージェフ選手も決して楽なドローなわけではありません。第17シードのフランシス・ティアフォー選手、地元第25シードのアレックス・ポピリン選手は昨シーズン好調で侮れない選手です。
また、ファビアン・マロジャン(マロズサンなど表記ゆれあり)選手、チアゴ・セイボスワイルド(ザイボチヴィウチなど表記ゆれあり)選手なども近年調子を上げており、ダークホースとなり得る選手です。

次にボトムハーフ、アルカラス山です。シード順に勝ち上がると仮定すると、アルカラス選手は2回戦で西岡良仁選手、4回戦で第15シードのジャック・ドレーパー選手、準々決勝で第7シードのノヴァク・ジョコビッチ選手とあたります。
全豪オープンを最多の10回優勝しているジョコビッチ選手ですが、2024年シーズンはツアータイトルなし、優勝はパリ五輪のみという、明らかに好調ではない状態です。しかしそれでも試合勘のあるジョコビッチ選手と準々決勝であたることは、アルカラス選手にとっても試練となるはずです。
ジョコビッチ選手としては、アルカラス選手とあたる前に前哨戦であるブリスベン国際オープンで敗れたライリー・オペルカ選手、第10シードのグリゴール・ディミトロフ選手など手ごわい相手が待ち構えており、タフドローとなっています。
また、ドレーパー選手は2001年生まれの23歳と若くて体力もあり、また193センチから繰り出されるビッグサーブは強烈です。2024年の全米オープンでベスト4まで上り詰めたドレーパー選手も、アルカラス選手にとって壁となり得るでしょう。アルカラス選手との4回戦よりも前に、ドレーパー選手には第22シードのセバスチャン・コルダ選手とあたる3回戦が鬼門となります。

最後にボトムハーフ、ズべレフ山を見ていきます。正直なところ、この山はズべレフ選手が勝ち上がるのが有力ではありますが、ズべレフ選手はグランドスラムでの成績が安定しているとは言えず、誰が勝ち上がってもおかしくないと言えます。予想するのが最も難しい山であり、また試合の行く末が一番楽しみな山でもあります。
ズべレフ選手からすると、3回戦であたる可能性のある地元のニック・キリオス選手は脅威となり得るでしょう。また、第20シードのアルトゥール・フィス選手は2024年のジャパンオープンでフリッツ選手、シェルトン選手、ルーネ選手、アンベール選手を下して優勝しているなど成長スピードが著しいです。2004年生まれの20歳と若く、5セットのグランドスラムでも走り回れる体力もあります。
錦織圭選手も前哨戦となるATP250香港オープンでシャポバロフ選手やハチャノフ選手などを下して優勝しており、怪我で離脱して大きく落ちていたランキングも74位(2025年1月6日現在)まで戻してます。錦織選手の想定相手としては、1回戦で予選勝者、2回戦で第12シードのトミー・ポール選手、3回戦で第23シードのアレハンドロ・タビロ選手、4回戦で第6シードのキャスパー・ルード選手、準々決勝でアレクサンダー・ズべレフ選手です。2回戦のポール選手がかなりの鬼門となり得るでしょう。
