全米オープン2022でアルカラス選手とルード選手が決勝に進むなど活躍したことで、ATPランキングが大きく動きました。
今回はATPランキングを元に男子テニス界の情勢を見ていきます。
2022年9月12日付 ATPランキング
上記が2022年9月12日付のATPランキングですが、1位のアルカラス選手が19歳、2位のルード選手が23歳と若手の躍進が目立ちます。
長らく男子テニス界を支配していたBig4ですが、トップ10には2人しかいません。
Big4は終わったのか
実質2019年からは、ビッグ4というよりもジョコビッチ選手とナダル選手の2強と言ってもいい状況が続いていました。
ATP250やATP500、マスターズ1000などは若手の躍進も目覚ましく世代交代が進んでると言われてきましたが、グランドスラムはまだビッグ4が若手に道を譲らない状況が続いていました。
今回の全米オープン決勝はアルカラス選手 vs ルード選手という組み合わせであり、これをもって「Big4は終わった」と言う声もありますが、私はそうは思いません。
事実、2020年の全米オープン決勝もティーム選手 vs ズべレフ選手という組み合わせであり、Big4は不在でした。しかし、その後も残りの3つのグランドスラムはBig4が支配しており、全米オープン決勝にBig4が不在だったことをもって「Big4は終わった」と結論づけるのは早計です。
世代交代は着実に進んでいる
しかし、「まだまだBig4は健在だ」とも言えないのが、2022年全米オープンを見た感想です。なぜならば、2022年全米オープンでは決勝はおろか、ベスト4にもBig4の姿はなかったからです。着実に世代交代は進んでいます。
ジョコビッチ選手はワクチン問題で全米オープンを欠場しましたが、ナダル選手は準々決勝でティアフォー選手に敗退しています。
フェデラー選手は長らくツアーを離脱しており、レーバーオープン出場も危うい状況です。マレー選手は全米オープンでは3回戦でベレッティー二選手に敗退してます。
男子テニス界は戦国時代へ
下記は、2022年9月12日付のATPランキング(11位~30位)です。
30位まで見ると、若手 vs Big4という単純な図式ではないことがわかります。Big4の一角であるフェデラー選手やマレー選手の名前は、トップ30にはありません。また、ヤングガンズと呼ばれるチリッチ選手、ディミトロフ選手などの名前が見つかります。34歳のアグート選手、32歳のエヴァンズ選手、31歳のカレーニョ・ブスタ選手、30歳のシュワルツマン選手といった30歳オーバーの名前も少なくありません。
一般的に30代前半で引退することが多いテニス界では、次のようにわけるのが妥当でしょう。
- 10代~24歳:若手
- 25歳~28歳:中堅
- 29歳~:ベテラン
このようにわけると、現在の男子テニス界は若手も中堅もヤングガンズもBig4などのベテランも蠢く戦国時代という言い方がピッタリだと思います。
世代別の注目選手
ここで、私が注目する選手を世代別に見ていきます。(重複より選手呼び省略)
- 若手:アルカラス、シナー、ムゼッティ、アリアシム、シャポバロフ、ルード、ティアフォー、チチパス、ルブレフ
- 中堅:ズべレフ、メドベージェフ、ノーリー、ハチャノフ、ベレッティー二、キリオス、チョリッチ
- ベテラン:ジョコビッチ、ナダル、カレーニョ・ブスタ、チリッチ、シュワルツマン、アグート、ディミトロフ、エヴァンズ
こうして挙げてみると、どの世代にも満遍なく強い選手がいるという印象です。
世代交代が進んでいるのは事実です。巷に言われているように、若手が支配する時代が来るのではなく、若手も中堅もベテランも玉石混交な戦国時代こそが【新時代】であり、Big4支配の時代から時代が変わりつつあるのは感じています。
誰が勝つかわからない【新時代】は、観戦する身としては非常に面白いですし、これからも男子テニス界は盛り上がるでしょう。