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【まとめ】全豪オープン2024

決勝を終えて

第3シードのダニール・メドベージェフ選手と第4シードのヤニク・シナー選手との組み合わせとなった全豪オープン決勝ですが、シナー選手が3-6, 3-6, 6-4, 6-4, 6-3のフルセット逆転勝利を収め、キャリア初のGSタイトルを獲得しました。

準決勝を終えて

トップハーフからは第1シードのノヴァク・ジョコビッチ選手と第4シードのヤニク・シナー選手の対決です。シナー選手が6-1, 6-2, 6-7(6-8), 6-3で勝利し、決勝に進出しました。

ボトムハーフからは第3シードのダニール・メドベージェフ選手と第6シードのアレクサンダー・ズべレフ選手の対決です。ズべレフ選手が第1セットを7-5、第2セットを6-3で先取して、決勝まであと1セットと迫るも、その後メドベージェフ選手が3セット連取で逆転勝利しました。

準々決勝を終えて

準々決勝を終えた時点での振り返りと、準決勝の展望です。

まずはトップハーフからです。第1シードのノヴァク・ジョコビッチ選手は、第12シードのテイラー・フリッツ選手に7-6 (7-3), 4-6, 6-2, 6-3で勝利し、準決勝に駒を進めました。ジョコビッチ選手はフリッツ選手との対戦成績を9勝0敗としました。

第4シードのヤニク・シナー選手は、第5シードのアンドレイ・ルブレフ選手に6-4, 7-6 (7-5), 6-3のストレートで勝利し、準決勝に進みました。シナー選手は今大会全てストレート勝利をしており、絶好調であることが伺えます。

ジョコビッチ選手とシナー選手の対戦成績ですが、両者はこれまで6回対戦しており、ジョコビッチ選手の4勝2敗となってます。しかし、直近の対戦は2023年11月25日のデ杯ですが、このときはシナー選手が6-2, 2-6, 7-5で勝利しています。

シナー選手は2023年アジアシーズン以降に急成長しており、それ以前の彼とは別人と考えた方がよいでしょう。2023年11月開催のATP Finalsで、シナー選手はジョコビッチ選手に1度勝っています。

今大会の仕上がりを見ても、過去全勝してるフリッツ選手にセットを落としているジョコビッチ選手よりも、1セットも落とさず勝ちあげってきているシナー選手の方が、コンディションは良好だと見ています。

もちろん、ジョコビッチ選手は全豪オープンを過去10回優勝しているベテランであり、グランドスラム決勝での戦い方を熟知しているため、経験ではジョコビッチ選手が上回っています。どちらが勝つか、全く読めないというのが正直なところです。


次にボトムハーフです。第2シードのカルロス・アルカラス選手 vs 第6シードのアレクサンダー・ズべレフ選手は、ズべレフ選手の勝利に終わりました。優勝候補の1人であったアルカラス選手を破ったズべレフ選手のプレーを称えたいです。

次に、第3シードのダニール・メドベージェフ選手 vs 第9シードのホベルト・フルカチュ選手は、フルセットの末にメドベージェフ選手が勝利しました。

4回戦を終えて

4回戦を終えた時点での振り返りです。

まずはトップハーフです。第1シードのノヴァク・ジョコビッチ選手は、第20シードのアドリアン・マナリノ選手に1時間44分で6-0, 6-0, 6-3と圧勝し、大会後半に向けてギアを一気に上げてきました。

一方、第5シードのアンドレイ・ルブレフ選手と、地元オーストラリアの第10シードのアレックス・デミノー選手の試合は4時間14分の大激闘となりました。結果はルブレフ選手が6-4, 6-7 (5-7), 6-7 (4-7), 6-3, 6-0のフルセットで勝利を収めることとなります。

ルブレフ選手はセットカウント1-2という崖っぷりの状態ながら、「今日ここで死ぬのなら、せっかくなら全力でやろう」と気持ちを切り替えたと言います。窮地に立たされたときに「諦める」ことで力が抜けて調子が上向いたのでしょう。追い詰められたときの立て直し方は、さすがはトップ5の選手といったところでしょう。

第4シードのヤニク・シナー選手は、第15シードのカレン・ハチャノフ選手に6-4, 7-5, 6-3のストレートで勝利しました。ハチャノフ選手はむしろ好調で、股抜きのロブを決めるなどスーパーショットも魅せました。しかし、それ以上にシナー選手が絶好調でした。

昨年準優勝者で第7シードのステファノス・チチパス選手は、第12シードのテイラー・フリッツ選手に6-7 (3-7), 7-5, 3-6, 3-6で敗れました。


次にボトムハーフです。

今大会で目立っていたアルトゥール・カゾー選手、ヌーノ・ボージェス選手ですが、それぞれ第9シードのフベルト・フルカチュ選手、第3シードのダニール・メドベージェフ選手に敗れています。しかしながら、両者ともにトップシード選手相手にタイブレークまで持ち込むなど、爪痕をしっかりと残しています。

ボトムハーフ第4試合のハイライトは、第6シードのアレクサンダー・ズべレフ選手と第19シードのキャメロン・ノーリー選手の試合でしょう。結果はズべレフ選手が7-5, 3-6, 6-3, 4-6, 7-6 (10-3)の激闘を制しています。

ここまで2人のシード選手(ストルフ選手とポール選手)を倒してきている好調のミオミル・キツマノビッチ選手ですが、第2シードのカルロス・アルカラス選手に4-6, 4-6, 0-6で敗れ、姿を消しました。

3回戦を終えて

3回戦を終えた時点での振り返りです。

まずはトップハーフです。第1シードのノヴァク・ジョコビッチ選手は、第30シードのトマス・マルティン・エチェベリー選手に6-3, 6-3, 7-6 (7-2)で勝利しました。2回戦までは「ギアが上がってない」ジョコビッチ選手でしたが、3回戦では今大会初のストレート勝利を収め、ギアを上げてきていることがわかります。

3回戦トップハーフの一番の大激闘は、第16シードのベン・シェルトン選手と第20シードのアドリアン・マナリノ選手の対戦でしょう。結果はマナリノ選手が7-6 (7-4), 1-6, 6-7 (2-7), 6-3, 6-4のフルセットの末に勝利をもぎ取りました。

ルカ・ヴァン・アッシュ選手、トーマス・マチャク選手といった注目の若手陣ですが、それぞれ第7シードのステファノス・チチパス選手、第15シードのカレン・ハチャノフ選手に敗れました。特にマチャク選手はハチャノフ選手相手にタイブレまで持ち込むなど、見応えのある試合でした。

注目のシード対決となった第5シードのアンドレイ・ルブレフ選手と第29シードのセバスチャン・コルダ選手の試合ですが、ルブレフ選手が6-2, 7-6 (8-6), 6-4のストレートで勝利しています。

また、第12シードのテイラー・フリッツ選手は、今大会のダークホースなるかと期待を集めていたマロズサン選手に、3-6, 6-4, 6-2, 6-2で勝利しました。


次にボトムハーフですが、姿を消すシード選手が多く見られました。

まず第11シードのキャスパー・ルード選手は、第19シードのキャメロン・ノーリー選手に4-6, 7-6 (9-7), 4-6, 3-6で敗れました。

次に第13シードのグリゴール・ディミトロフ選手は、ヌーノ・ボージェス選手に7-6 (7-3), 4-6, 2-6, 6-7 (6-8)で敗れました。ボージェス選手は、1997年生まれの26歳で中堅のノーシード選手ですが、今大会はシード選手2人(フォキナ選手とディミトロフ選手)に勝利するなど、活躍が目立ちます

その他にも、第14シードのトミー・ポール選手がミオミル・キツマノビッチ選手に4-6, 6-3, 6-2, 6-7 (7-9), 0-6で、第28シードのタロン・フリークスポール選手がアルトゥール・カゾー選手に3-6, 3-6, 1-6で敗れるなど、シードダウンが見られました。

第3シードのダニール・メドベージェフ選手は、第27シードのフェリックス・オジェ・アリアシム選手に6-3, 6-4, 6-3のストレートで勝利しました。これで2人の対戦成績はメドベージェフ選手の7戦全勝となりました。

また、第6シードのアレクサンダー・ズべレフ選手は、19歳の期待の若手アレックス・ミケルセン選手を6-2, 7-6 (7-4), 6-2で止めました。

2回戦を終えて

2回戦を終えた時点での振り返りです。

まずはトップハーフから見ていきましょう。第1シードのノヴァク・ジョコビッチ選手は、地元オーストラリアのアレックス・ポピリン選手に6-3,4-6, 7-6 (7-4), 6-3の3時間11分の激闘の末、3回戦に進みました。

第2セットはジョコビッチ選手のミスが重なり、ポピリン選手に先にブレークを許しました。ジョコビッチ選手は今年は前哨戦をスキップしているためか、まだギアが上がってない状態です。

ここまでの2試合で試合時間は7時間を超えています。続く3回戦の相手は、1回戦でアンディ・マレー選手を、2回戦でガエル・モンフィス選手を倒している第30シードのトマス・マルティン・エチェベリー選手です。今大会初のシード選手との試合に注目です。

その他のシード選手も辛勝という内容の試合が多かったです。第7シードのステファノス・チチパス選手は、地元のジョーダン・トンプソン選手に4-6, 7-6 (8-6), 6-2, 7-6 (7-4)、第16シードのベン・シェルトン選手は地元のクリストファー・オコネル選手に6-4, 6-1, 3-6, 7-6 (7-5)、第20シードのアドリアン・マナリノ選手はハウメ・ムナル選手に6-3, 6-3, 1-6, 2-6, 6-3のフルセットでそれぞれ勝利しています。

一方で第4シードのヤニク・シナー選手、第10シードのアレックス・デミノー選手はそれぞれ2時間程度で快勝しています。

シード勢の敗退ですが、第17シードのフランシス・ティアフォー選手がトーマス・マチャク (マハーチ)選手に4-6, 4-6, 6-7 (5-7)で敗れることとなりました。マチャク選手は2000年生まれの23歳と若い選手で、将来が楽しみです。

第22シードのフランシスコ・セルンドロ選手は、ファビアン・マロズサン選手に7-6 (7-5), 6-4, 6-2のストレートで敗れてしまいました。マロズサン選手は、1999年生まれの24歳の選手であり、1回戦では元世界3位のマリン・チリッチ選手を破っています。

また、第25シードのロレンツォ・ムゼッティ選手は、ルカ・ヴァン・アッシュ選手に3-6, 6-3, 7-6 (7-5), 3-6, 0-6のフルセットの末に敗れています。ムゼッティ選手も2002年生まれの21歳と若手なのですが、アッシュ選手も2004年生まれの19歳と非常に若く、将来の活躍が楽しみな選手です。


次にボトムハーフを見ていきましょう。

第6シードのアレクサンダー・ズべレフ選手は、ルカシュ・クレイン選手に7-5, 3-6, 4-6, 7-6 (7-5), 7-6 (10-7)で逆転勝利を収めました。第2-3セットでは、クレイン選手が積極的に攻めてウィナーを連発し、この2セット間でクレイン選手のウィナー本数は35本にも上りました。(ズべレフ選手は14本)

最終セットで先にブレークに成功したズべレフ選手でしたが、第6ゲームでブレークバックを許して勝負は10ポイントタイブレークへ。タイブレではクレイン選手のミスが目立ち、ズべレフ選手が4時間半にもなる死闘を制しました。

第11シードのキャスパー・ルード選手は、地元のマックス・パーセル選手に6-3, 6-5 (5-7), 6-3, 3-6, 7-6 (10-7)の3時間50分にも及ぶ激闘を制しました。パーセル選手は下の動画の通り、ルード選手が拾っても粘り強く返し続けるディフェンス力に秀でていました。

一方でシード勢の敗退も少なくありませんでした。第8シードのホルガー・ルーネ選手が、アルトゥール・カゾー選手に6-7 (4-7), 4-6, 6-4, 3-6で敗れました。ルーネ選手も2003年生まれの20歳と若いですが、カゾー選手2002年生まれの21歳と若く、将来が楽しみです。

他にも第23シードのアレハンドロ・ダビドヴィッチ・フォキナ選手が、ヌーノ・ボルジェス選手に6-7 (7-9), 3-6, 3-6のストレートで、第24シードのヤン=レナード・ストルフ選手が、ミオミル・キツマノビッチ選手に4-6, 6-1,6-7 (5-7), 6-1, 6-7 (9-11)のフルセットで、第32シードのイジー・レヘチカ選手が、2004年生まれの19歳の若手アレックス・ミケルセン選手に6-4, 3-6, 4-6, 4-6で敗れています。

1回戦を終えて

1回戦を終えた時点での振り返りです。今大会の初戦は最も番狂わせのない大会となりました。

32シード制となった2001年ウィンブルドン以来、シード32選手の内、30選手が2回戦に進むのは過去最多となります。シード勢で初戦敗退したのは、第18シードのニコラス・ジャリ選手と第31シードのアレクサンダー・ブブリク選手の2名のみです。

まずはトップハーフですが、第1シードのノヴァク・ジョコビッチ選手は、18歳の新星デノ・プリズミッチ選手に4時間1分の死闘の末、見事勝利を収めて2回戦に駒を進めました。

次に第5シードのアンドレイ・ルブレフ選手とチアゴ・セイボスワイルド選手は、7-5, 6-4, 3-6, 4-6, 7-6 (10-6)というフルセットの激闘でした。セイボスワイルド選手は23歳と若手ながら、昨年2023年の全仏オープン1回戦で当時世界2位のダニール・メドベージェフ選手を下しているなど、近年急速に実力を伸ばしている選手です。

最終セットのスーパータイブレークでは、ルブレフ選手は1-4と窮地に追い込まれましたが、最後にまくって3時間42分に及ぶ激戦に終止符を打ちました。

3回戦での旧友ジョコビッチ選手との対戦を心待ちにしていた元王者アンディ・マレー選手ですが、残念ながら第30シードのトマス・マルティン・エチェベリー選手に4-6, 2-6, 2-6のストレートで敗退してしまいました。

アンディ・マレー選手は、試合後のインタビューで「ここで試合をするのは最後になるかもしれない」と語っていました。

地元オーストラリアの期待の星、第10シードのアレックス・デミノー選手は、ミロシュ・ラオニッチ選手に対して6-7 (6-8), 6-3, 2-0としたところで、ラオニッチ選手が棄権を申し出たために2回戦に進みました。

他にはガエル・モンフィス選手、ベン・シェルトン選手、テイラー・フリッツ選手、ヤニク・シナー選手、セバスチャン・コルダ選手など注力選手は順調に2回戦に進出してます。

一方、スタン・ワウリンカ選手、マリン・チリッチ選手、ボルナ・チョリッチ選手などは初戦敗退となってます。また、ステファノス・チチパス選手との対戦が期待されたマッテオ・ベレッティー二選手ですが、棄権のため欠場となってます。


次にボトムハーフです。

第27シードのフェリックス・オジェ=アリアシム選手は元世界3位のドミニク・ティーム選手に、6-3, 7-5, 6-7 (5-7), 5-7, 6-3のフルセットで勝利しました。

その他にはホルガー・ルーネ選手、グリゴール・ディミトロフ選手、ダビドヴィチ・フォキナ選手、ダニール・メドベージェフ選手、アレクサンダー・ズべレフ選手、キャスパー・ルード選手、カルロス・アルカラス選手などの注目選手は順当に2回戦に駒を進めています。

一方でデニス・シャポバロフ選手は予選勝者で18歳の新星ヤクプ・メンシーク選手に敗れています。

ドロー

トップハーフの注目は、なんといっても第1シードのノヴァク・ジョコビッチ選手でしょう。3回戦でジュニア時代からの友人でもあるアンディ・マレー選手との対決は現実となるのでしょうか。

トップハーフには他にも、第4シードのヤニク・シナー選手、第5シードのアンドレイ・ルブレフ選手、第7シードのステファノス・チチパス選手にも注目です。

地元オーストラリアのアレックス・デミノー選手も第10シードに食い込んできており、活躍が期待されます。

ベン・シェルトン選手、セバスチャン・コルダ選手の若手2人は共にシード権を獲得しており、中堅・ベテラン相手にどこまでやれるのか楽しみです。


ボトム・ハーフの注目は、第2シードのカルロス・アルカラス選手、第3シードのダニール・メドベージェフ選手でしょう。

その他にも第6シードのアレクサンダー・ズべレフ選手、第8シードのルーネ・ホルガー選手(1回戦で日本人の西岡良仁選手と対戦)、第13シードのグリゴール・ディミトロフ選手(錦織選手と同世代「ヤング・ガンズ」の一人)、第23シードのダビドヴィチ・フォキナ選手などにも注目です。

第28シードのタロン・フリークスポール選手は27歳と中堅の選手ですが、最近ランキングを上げてきています。今大会のダークホースとなるのでしょうか。